成書『あっという間にうまくなる 神経ブロック上達術』とリンクしたサイトであり、同書で紹介されている末梢神経ブロックに関して動画・画像や補足事項を紹介します。
甲状腺手術に対する神経ブロック
甲状腺手術に対する神経ブロック
ここでは甲状腺手術に行う神経ブロックについて少し詳しく述べようと思います。
テキストでは、甲状腺手術に適応できるブロックとして
両側の
浅
頸神経叢ブロック、
もしくは片葉摘出術の場合のみ患側を
深
頸神経叢ブロックにする。
と書きました。
甲状腺手術の場合、本当であれば、両側の
深
頸神経叢ブロックを行いたいところです。
しかし
深
頸神経叢ブロックは、その合併症として
横隔神経麻痺や反回神経麻痺などを起こす場合があるため
両側の施行は禁忌
となります。
もちろん、常に合併症が起こるわけではないですが
もし、起こってしまった場合、抜管できなくなってしまいます。
腕神経叢ブロック斜角筋間アプローチでさえ、ルートの近くで行うと
術後に嗄声を来す場合があります。
経験のある先生もおられるのではないでしょうか?
そのため、甲状腺手術に対しては両側の
浅
頸神経叢ブロックを行います。
実際にやってみるとわかりますが、甲状腺に到達するまでは
ほとんど痛がりません。
しかし、甲状腺の裏側を操作する段階になると
ドンと血圧が上がります。
術後も、ブロックのみでは完全な鎮痛は得られず、
何らかの鎮痛薬を追加する必要があります。
つまり、
浅
頸神経叢ブロックは、鎮痛補助的な意味合いで行うわけです。
一方、甲状腺片葉切除術の場合は、切除する側のブロックを
深
頸神経叢ブロックにすると非常に有効です。
片葉切除では、皮切は両側にまたがりますが、
甲状腺の裏側を操作するのは、患側のみです。
よって患側だけ
深
頸神経叢ブロックにしておくと、
かなりの
鎮痛効果が得られます。
「かなりの」と書いた理由は
舌下筋群は、深頸神経叢と舌下神経の両者から支配を受ける
からです。
そのため、術中はすべての痛みを取り除くことはできず
レミフェンタニルなどを併用する必要があります。
しかし、術後鎮痛という点では
かなりの効果があり
他の鎮痛薬を用いなくても「若干の違和感」程度に抑えることが可能です。
追加として、アセトアミノフェンなど
弱い鎮痛薬を投与しておけば十分な鎮痛を提供することができます。
神経ブロックを併用した甲状腺手術。
可能な方は是非ためしてみてください。
ただし、
深
頸神経叢ブロックは技術的にある程度のレベルが要求されますので
しっかり神経ブロックに習熟してから行うようにしてください。
針の描出を徹底し、安全な手技を心がけましょう。
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